〜小児看護専門看護師ブログ〜クリニックでのお子さんへの説明|さがわキッズクリニック|京都市立桂中学校付近の小児科【京都市西京区】

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〜小児看護専門看護師ブログ〜クリニックでのお子さんへの説明

こんにちは!小児看護専門看護師の中井です。

前回は、小児看護専門看護師である私の自己紹介と私がクリニックでお子さんと関わるときに大切にしていることについてお話しました。今回からはより具体的に小児科のクリニックでお子さんと関わるときに大切な看護のポイントやコツについて根拠となる知識と共にお話していければと思います。

2回目の今回はクリニックでのお子さんへの説明の方法についてお子さんがわかるように説明するために知っておきたい知識やコツ、私がこころがけていることについてお話をしたいと思います。

 

  • こどもに説明は必要か?

「こどもへの説明って本当に必要なの?」

「説明してもしなくても結局泣いちゃうしな」

「聞いてくれているかもわからないし。。」

みなさんの中にはお子さんへの説明についてこのように感じている方がおられるかもしれません。また、お子さんへの説明に苦手意識を感じている方もいるかもしれません。私も小児科の看護師を始めたころはお子さんの思わぬ反応に戸惑ったり、説明しても全く興味を持ってくれなかったりと試行錯誤の毎日でした。

私が看護師を始めたころはまだまだ「こどもにはわからないし、言っても仕方がない」「先に説明したほうがこどもは不安になる」という考えが残っており、突然お子さんに説明なしに治療を始める場面もありました。

しかし、今は「たとえ小さなお子さんであっても人として大切にされ、必要なことを教えてもらい、自分の気持ち・希望・意見を伝えることができるんだよ」というお子さんの大切な権利を守っていこうという風潮に変わっています。2022年には日本小児科学会より「医療における子ども憲章」¹が策定され、子どもの医療に携わる医療者はお子さんのもつ権利を学習し、それを擁護する立場に立つ必要があります。

 

  • お子さんに何をどのように説明する??

「説明が必要」と漠然と言われても、結局何をどのように説明すればよいの?と悩みますよね。お子さんに説明することは「お子さんが理解できること」「お子さんの不安を少しでも減らすこと」「お子さんとの信頼関係を築くこと」が大切であり、私も自己満足で一方的にならないように気を付けています。

お子さんは当然、大人のように理解はできないので、お子さんの発達に合わせてお子さんの理解度に合わせた説明を行っていく必要があります。

まずはざっくりとお子さんの成長による病気や身体の理解度について理解しておく必要がありますので、以下に各発達段階の理解度と説明のポイントを示してみます。

  • 乳児期(01歳)

  • この時期のお子さんの理解の特徴

言葉はまだ理解できませんが、感覚(音、視覚、触覚など)を中心に情報を得ることができる時期です。

  • この時期のお子さんへの説明のポイント

言葉の内容よりも安心できる声掛けやタッチングが大切です。声のトーンや表情に気をつけて、体に突然触るのではなく、「触るね」「こっち向くね」「お洋服脱ごうね」など声をかけてからお子さんに触ることや、その際、しっかりとお子さんの顔を見て柔らかい表情で話しかけてあげることが大切です。

また、お子さんが一番信頼しているお父さん、お母さんの表情をお子さんはとても敏感に感じ取りますので、医療者はお父さん、お母さんとも協力してお父さん、お母さんがお子さんと安心して関わることができるように説明することも大切だと思います。

 

  • 幼児期前期(16歳)

  • この時期のお子さんの理解の特徴

これまで経験していないこと、目に見えていないことの想像は難しいですが、いま目の前に見えていることは理解できます。「ばいきん」が「びょうき」の原因という関係が少しずつわかってくる一方で想像力は大人よりとっても豊かで直感的な思考を持ちやすいので、誤解もしやすいです。例えば、「病院にいく=注射される」や「自分が悪いことをした=病気になった」など誤解したままクリニックに来られていることもありますよね。

  • この時期のお子さんへの説明のポイント

この時期は、まずは、お子さんの反応を見ながらお子さんの頭の中を伺ってみることが大切だと思っています。「なぜ泣いているのかな?」「何が一番不安かな?」「誤解が生じていないかな?」と、お子さんから見えている、考えている世界をのぞいてみて、まずはお子さんの不安を解いていくことが大切です。この時期のお子さんは大人が考えもしないような発想力を持っていることも多くあり、それが微笑ましくもあり、「そうか、あなたにはそんな世界が見えていたんだね。そりゃ怖かったよねぇ。」となることがありますよね。そして、そんな不安を解いたあとに、あまり先の話はせずに、直後に起こることを「視覚的に」「具体的に」「これまでの体験を結びつけながら」説明していくことでお子さんが少しずつ自分の身に起こることを理解してくれるポイントかなと思います。

 

  • 学童期(712歳)

  • この時期のお子さんの理解の特徴

この時期になると、経験していないことも少しずつ想像できるようになり、予測を立てながら行動したり、身体の中で起こること(実際に見えないもの)への理解もできるようになり、病気の原因から治療までの理解もできるようになります。一方で周りのお友達と比べることや、学校をお休みをしないといけないことがとても苦痛であるお子さんもいます。

  • この時期のお子さんへの説明のポイント

この時期は、これから起こることについて先を見通しながら説明を行うことでお子さんたちも見通しをつけながら自主的に治療に取り組むことができるようになります。また、これから経験をすることについても想像しながら自分で決めていくことができるので、看護師は「あなたはどうしたい?」とお子さんと相談して決めていきながら説明することもできるようになります。

ただ、まだまだ理解はできてもいざ実践!となると勇気がでなかったりお友達と比べたり…。なかなか一歩踏み出すことができないお子さんもいますよね。そんなときはまずお子さんが今何に悩んでいるのかを探りつつ、一緒に目標を見つけ、そこに到達できる道筋を一緒に立てることができるよう説明することが大切だと思います。

 

  • 私がお子さんに説明するときに心がけていること

さて、各発達の段階におけるお子さんの理解の特徴と説明のポイントを説明してきましたが、いざお子さんと接するときにいつも頭で「えーっとこの子は何歳だから…。だいたいこれくらいの理解度だから…。こんな風に説明をすればよいかな…。」なんて考えることは難しいですよね。そして上記で示した理解度はあくまでも目安でもちろんどの子にも当てはまるわけではありません。大切なのは、「嘘は決してつかず、誠実にお子さんに向き合うこと」「そのお子さんが理解できているかお子さんの反応を確認しながらすすめること」だと思います。また、説明にかける時間が長すぎないことやお子さんが知りたい部分から説明をすること、お子さんの不安をまずは少しでも減らして説明を聞くことができる環境を作ることも大切であると考えています。

前回のブログでもお話しましたが、お子さんたち常にいろんなことにチャレンジし続けています。医療者である私たちはそんなお子さんの力を信じ、お子さんが自分のことを理解して自分で前に踏み出していくお手伝いができれば幸いです。

 

今回もブログを読んでいただきありがとうございました!

次回からは3回のシリーズにわけて「処置の際のお子さんへの関わり方」をお話していく予定にしております。

これからもどうぞよろしくお願いいたします。

 

日本小児科学会.「医療における子ども憲章」.『日本小児科学会ホームページ』.(更新日:20228).https://www.jpeds.or.jp/modules/guidelines/index.php?content_id=143.

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