心臓に穴があいている!?心臓病は遺伝するの!?(先天性心疾患について)
- 2023年4月30日
- 心臓外来
先天性心疾患とは何らかの原因でお母さんのお腹の中にいる時に発生した心臓病です。およそ100人に1人の割合で発生します。子どもの時にみられる最も多い先天性心疾患は、心臓の部屋(心室)の間の壁に穴があいている病気(心室中隔欠損という病名)です。その穴(心室中隔欠損)の70〜75%は自然に閉じると言われています。そのため、大人になると心臓の部屋(心房)の間の壁に穴があいている病気(心房中隔欠損という病名)が最も多くなります。この穴(心房中隔欠損)は自然に閉じることは少なく、また症状にも乏しく、心雑音も小さいために大きくなってから学校心臓検診で見つかることも多い病気になります。それぞれの心臓病については今後わかりやすく説明できればと思っています。
原因については不明なことが多いですが、私はこれまで診療している中で、家族内(親子・兄弟)で同様の先天性心疾患で外来通院または手術を受けた患者さんをしばしば診てきました。とくに母親が先天性心疾患であった場合、こどもの先天性心疾患の発生頻度は10〜15倍高いとされています。先日のブログ(無害性心雑音の項目)で記載しましたが、特に生後1ヶ月までの赤ちゃんは重い心臓病の可能性もありますので以下の症状に注意してください。
以下の症状がある場合は重い心臓病が疑われるので緊急で受診ください。
☑ ミルクの飲みが悪い場合
☑ 体重の増えが悪い場合
☑ 呼吸が早く肩で呼吸をする、あばら骨が浮き出るような場合
☑ 泣くと青黒くなる場合
☑ よく汗をかく場合